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麻布台ヒルズが不動産に与えた影響と、次に注目すべき4つのエリア

2023年11月に麻布台ヒルズが開業したとき、それは東京のスカイラインに高層ビルが一棟加わった以上の意味を持っていました。周辺の住宅市場そのものを塗り替えた出来事として受け止められ、近隣の街区では目立つ不動産価値の動きが観察されました。

その傾向は、大規模再開発が周辺の住まいにどのような影響を及ぼすかを、購入を検討する方々により明確に示すものとなりました。さらに、価格動向への影響や開発エリアの利便性向上が評価され、投資判断を行う際の材料として現実味を帯びています。

本記事では、麻布台ヒルズ周辺の街区で何が起きたのかを振り返り、続いて、同様の変化が進みつつある可能性のある東京の4つのエリア ― 築地、六本木五丁目西、浜松町、新宿 ― に目を向けます。それぞれ進捗の段階が異なり、その違いは、いつ・どこで購入を検討するかを考えるうえで重要になります。

麻布台ヒルズの周辺で何が起きたのか

麻布台ヒルズは、港区の約8.1haを対象とする森ビルのプロジェクトです。敷地には、325mの森JPタワーを最高層とする3棟のタワーに加え、住宅、オフィス、ホテル、商業施設、医療施設、そしてブリティッシュ・スクール・イン・東京が含まれます。

また、再開発は2017年9月に認可され、2019年8月に着工、2023年11月24日に開業しました。

周辺の住宅への影響は明確でした。

さらに、ハウジング・ジャパンの独自の調査によると、敷地から徒歩圏内の建物に関する調査では、複数の高級タワーで、2016年から2025年にかけて推定価値がおよそ2〜3倍に上昇したことが確認されました。

要点はこうです。再開発が公表される前、私たちが追跡した建物は港区全体の平均とほぼ同じ動きをしていました。ところが2017年の公表後、工事の進捗が目に見えるようになってからは、価値が全体の動きから離れて上昇しました。その変化は、完成した複合施設に近い建物ほど大きくなりました。加えて、新たな施設への動線が直接的な建物ほど、影響が大きく見られました。

過去の実績は将来の成果を示すものではなく、不動産のご判断はいずれも専門家に相談のうえで行っていただくことをおすすめします。

とはいえ、麻布台ヒルズ周辺の傾向は、一つの大規模プロジェクトが街の性格を測定可能なかたちで変えうることを示す事例として、学ぶ価値があります。

なぜこうした変化が起きるのか

大規模再開発は、複数の要素を一度にエリアへもたらします。 また、新しいオフィスは、近隣に住まいを求める働き手を呼び込み、地域の人口動態を変えます。

さらに、新たな商業・飲食施設は、街の魅力を高め、訪れる人を増やします。 インターナショナルスクールやホテルは、これまでそのエリアを検討しなかった家族や来訪者を惹きつけます。

さらに、交通アクセスも多くの場合、同時に改善します。 これにより、通勤時間の短縮や周辺地域の回遊性が高まり、生活の利便性が向上します。

これらが一斉に加わると、近隣の住宅需要は高まる傾向があります。麻布台ヒルズは、約20,000人分のオフィス、約1,400戸の住宅、約150の店舗・飲食店、医療施設、そしてインターナショナルスクールを加えました。

その結果、周辺の住宅市場はそれに反応したのです。周辺の動向はこれまで以上に敏感に変化し、需要と供給のバランスにも影響を及ぼしています。

したがって、再開発の「公表」と「工事」の段階は、開業日と同じくらい重要になりえます。プロジェクトが完成する頃には、周辺の不動産価値の変化の多くが、すでに起きてしまっている場合があるのです

築地:同規模の「次なるプロジェクト」

Render of the impressive Tsukiji redevelopment

築地地区の再開発は、東京において「もう一つの麻布台ヒルズ」に最も近い存在と位置づけられ、地域の都市機能の再編において中心的な役割を担います。

加えて、規模の面ではいくつかの点でそれを上回り、建物の高さや総延べ面積といった要素で麻布台ヒルズに並ぶ、あるいはそれを超える特徴を示します。

2024年4月、東京都は、三井不動産を代表とし、トヨタ不動産、読売新聞グループ本社が加わる事業者グループを、中央区の旧築地市場跡地・約19haの再開発事業者として選定しました。

なお、事業費は約9,000億円と見込まれています。

計画には、50,000席の多目的スタジアムを含みます。ライフサイエンスと商業の複合施設を含みます。ホテルとMICE施設、住宅棟も計画されています。既存の築地場外市場とつながるフードホールも位置付けられます。

さらに、交通面では、新駅が都心部・臨海地域地下鉄に加わります。水上交通の防災船着場も提案されました。将来のエアモビリティ発着場も検討されています。

このエリアを検討する方にとっては、スケジュールが重要です。さらに、初期段階の施設は2020年代後半から順次開業する見込みで、2032年度までに開発の約80%が稼働、全体の完成は2038年を予定しています。

また、この段階的な展開は、周辺の不動産価値の変化が正式な開業のかなり前から始まった麻布台ヒルズと、重なる部分があることを示しています。

六本木五丁目西:麻布台ヒルズと重なる展開

CGI of 2nd Roppongi hills project, real estate news tokyo

「第二の六本木ヒルズ」とも呼ばれる六本木五丁目西地区は、麻布台ヒルズで起きたことに最も近い展開と言えるでしょう。さらに、このプロジェクトは、既存の六本木ヒルズに隣接する約10.3haで、森ビルと住友不動産が共同で開発を進めています。

麻布台ヒルズの8.1haと近い規模であり、しかも事業者も同じ森ビルです。

計画の中心は、2棟の超高層タワーです。A-1棟は高さ約327m・地上66階で、オフィス、ホテル、商業施設、展望施設が入ります。

さらに、B棟は高さ約288m・地上70階で、日本でも高層クラスの住宅タワーの一つとなる計画です。敷地全体の延床面積は約108万㎡で、日比谷線・大江戸線の六本木駅に直結します。

都市計画は2024年4月に決定され、2025年度の着工が予定されていました。当初は2030年度の完成が予定されていました。

さらに、森ビルは建設費の上昇と人手不足により2030年度の目標維持が難しくなるとの見方を示しており、本格着工に先立ってスケジュールを精査しています。

大規模プロジェクトが周辺住宅に与える影響という観点では、六本木五丁目は、麻布台ヒルズが開業する数年前に位置していた段階とおおむね重なります。

さらに、同じ傾向が繰り返されるかどうかは、最終的なスケジュールと、タワー完成後のテナント・居住者の構成によります。

浜松町:変化の途上にある複合エリア

A render of the Hamamatsucho Redevelopment, a new luxury transport hub.

港区の東京タワーのすぐ東に位置する浜松町も、独自の変貌の途上にあります。

さらに、世界貿易センタービルを中心に街区が再構築されており、いくつかの要素はすでに姿を現しています。

389戸を擁する地上46階のワールドタワーレジデンスは、2024年に竣工しました。入居開始は2025年3月からです。

さらに、野村不動産が開発した高さ約230mのブルーフロント芝浦タワーSは、2025年2月に竣工しました。また、フェアモント東京は2025年7月、タワーSの高層階で217室で開業します。

今後の予定もあります。また、コンサートホールやコミュニティ空間を備える公共文化施設「みなと芸術センター」は、2027年11月の開業が計画されています。

ラッフルズ東京を含む地上46階のオフィス・ホテル棟「WTC本館棟・ターミナル」は、2027年からの一部開業が予定されています。「ブルーフロント芝浦 タワーN」は2031年度の完成予定です。

浜松町は、ある重要な点で築地と異なります。その違いの要点として、変貌の一部がすでに目に見え、利用できる状態にあることです。

新たなウォーターフロント空間を歩き、フェアモント東京に泊まり、ワールドタワーレジデンスに住むことが、今すでに可能です。さらに、何が開業済みで、何が工事中か、そしてそれがエリアにとって何を意味するのかは、記事浜松町再開発:東京の新たな世界貿易センターの近くに住むで詳しくご紹介しています。

新宿:長期にわたる駅の再構築

Render of new new Shinjuku redevelopment.

では、スペクトルのもう一方の端に位置する新宿についてお話ししましょう。

さらに、「新宿グランドターミナル」は、乗降客数でギネス世界記録を保持し、1日およそ360万人が行き交う新宿駅の周辺を再構築するプロジェクトです。

このプロジェクトは、複数の個別開発を束ねる大型計画です。西口エリアでは、小田急電鉄・東京メトロ・東急不動産が関与し、地上48階・高さ約260mのタワーを建設中です。計画は2024年3月に着工し、開業は2029年度末を目標としています。

西口の主タワーは、高さ約260m・地上48階の構成となり、オフィス・商業機能を備える計画です。これに伴う関連施設も整備され、都市景観と交通動線の最適化を目指しています。

南西口では、京王電鉄とJR東日本が、地上37階のタワーを計画しています。オフィス・店舗・高級ホテルを備える想定で、当初のFY2028完成目標は、解体・準備工事が続くなか2025年3月に未定となりました。

なお、新宿グランドターミナル全体のスケジュールは2040年代まで続きます。

西口駅前広場の完成目標は2035年、北エリアの建物と東西デッキは2046年頃が見込まれています。

この長い時間軸は、プロジェクトの捉え方を変えます。しかし、新宿では、麻布台ヒルズのような明確な「前後」の瞬間が生じる可能性は低いでしょう。むしろ、新たな建物や広場が開業するたびに、変化が段階的に積み重なっていくと考えられます。

計画の全体像は、記事新宿駅の再開発が東京の不動産に与えうる影響で詳しく解説しています。

主要プロジェクトの比較

プロジェクト規模主なスケジュール現在の段階
築地再開発約19ha・約9,000億円初期施設は2020年代後半/2032年度に約80%稼働/全体完成2038年2025年3月に基本協定を締結、着工へ
六本木五丁目西地区約10.3ha・超高層2棟(約327m・約288m)2024年4月に都市計画決定/2025年度着工/当初のFY2030目標は見直し中着工前、スケジュール精査中
浜松町/世界貿易センター芝浦・浜松町の複数棟ワールドタワーレジデンス2025年入居/WTC本館棟2027年〜/タワーN 2031年一部完成・入居済み
新宿グランドターミナル新宿駅周辺の複数棟西口タワー2029年度/西口広場2035年度/全体完成は2040年代工事中、長期スパン

東京で物件を検討する方にとっての意味

Two people shaking hands after completing the negotiation and initial payment phase of buying a house in Japan

なお、麻布台ヒルズの事例からは、心に留めておきたい点がいくつか見えてきます。

第一に、タイミングが重要だということです。そのうえ、2017年に再開発が認可された後、2023年の開業より前に近隣の建物を検討した方は、いまや同じかたちでは存在しない機会を目にしていました。この点は、将来の開発方針にも影響を与えます。

今日の築地は、その初期の段階に近い位置にあります。浜松町はさらに先へ進んでいます。新宿は、はるかに長い時間軸に広がっています。

第二に、近さとアクセスが重要だということです。麻布台ヒルズに最も近い建物、そして施設への徒歩動線が最も直接的な建物ほど、遠い建物よりも大きく動きました。

さらに、これら3つ(築地・六本木・浜松町)のいずれかを検討される方は、エリア名だけでなく、物件が実際のプロジェクトにどれだけ近いかを、慎重に見極めることが大切です。

第三に、プロジェクトごとの性格が異なるということです。築地はスタジアム、ライフサイエンス拠点、ウォーターフロントが核となります。

浜松町は主要駅、羽田空港へのアクセス、高級ホテルを中心に構成されます。新宿は、世界屈指の繁華な商業地における駅の再構築です。

さらに、それぞれ異なる層の居住者・就業者を惹きつけ、それが周辺のどの建物が最も恩恵を受けうるかに影響します。 この傾向は周辺の商業機会や居住環境の再編成にも影響します。

いずれも将来の価格の動きを保証するものではありません。市場は単一のプロジェクトを超えた多くの要因に左右され、不動産のご判断はつねに専門家に相談のうえで行っていただくべきものです。

とはいえ、麻布台ヒルズ周辺の傾向を理解しておくことは、東京の住宅市場で次の変化がどこから生じうるかを考えるうえで、有用な出発点となります。

よくあるご質問

麻布台ヒルズ周辺の不動産価値は、実際にどれくらい変化したのですか? 徒歩圏内の高級タワーに関するハウジング・ジャパンの調査では、2016年から2025年にかけて推定価値がおよそ2〜3倍に上昇し、複合施設に近いほど動きが大きい結果となりました。

築地は本当に「次の麻布台ヒルズ」なのでしょうか? 築地は、麻布台ヒルズが開業する数年前と近い段階にあり、規模は約19haと、麻布台の8.1haを上回ります。50,000席のスタジアム、ライフサイエンス拠点、ホテル、住宅棟を含むなど、範囲もより広範です。周辺住宅への影響が麻布台ヒルズと同様になるかどうかは、今後の展開次第です。

再開発の近くで物件を検討するのに最適な時期はいつですか? 一律の答えはありません。麻布台ヒルズでは、2017年の認可から2023年の開業までの期間に、市場の変化の多くが起きました。築地については、その機会がいま開かれつつあります。浜松町はすでに一部が形になっています。新宿は2040年代まで続きます。

海外の購入者には、どのエリアが向いていますか? それぞれ異なる層に適しています。浜松町は東京モノレールで羽田空港に直結し、フェアモント東京を擁します。築地は銀座に近い、都心のウォーターフロントに位置します。新宿は主要な就業・交通の拠点です。最適な選択は、お仕事、ご家族、ライフスタイルによって異なります。

これらの開発エリアの、現在の高級物件はどこで見られますか? ハウジング・ジャパンは都心全域の高級物件を取り扱っています。再開発エリアの住戸の多くは非公開物件のため、直接お問い合わせいただくのが、ご覧いただける物件を知る最も確実な方法となる場合がございます。

ハウジング・ジャパンにできること

ハウジング・ジャパンは、都心の高級住宅の購入・売却・管理を専門としています。さらに、私たちのチームは25年以上にわたり大規模再開発が周辺の住宅市場に与える影響を追い続け、見出しの背後にある詳細を知りたいと願うお客様のお手伝いをしてまいりました。

また、築地近くの物件をご検討の方も、浜松町で選択肢をお探しの方も、長期的な視点で新宿をご覧になっている方も、国内外のお客様に対応する私たちのチームがサポートいたします。私たちは地域ごとの特性や市場動向を踏まえ、最適な選択を提案します。